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建物が人の意識に与える影響

建物が私たちの意識にどう影響するか、考えたことがありますか?人は無意識に周りの影響を受けながら歩き、呼吸をし、行動をしています。ここでは、建物が人の意識にもたらす影響についてお話します。

建物は「良い」or「悪い」気をつくり、私たちに影響します。人は、良い気分でいられる場所で過ごすとやさしい気持ちになり、ポジティブな気をつくります。これこそが風水の本質だと言っても過言ではありません。

古代の建築家は、家や公共施設をつくる時に、人がより幸せになれるよう、ポジティブな気を建物に吹き込もうとしました。そのような経験の積み上げと、学問的な叡智を建物のデザインに盛り込みました。そのようにして、数多くの風水の法則が生まれたのです。

形、材質、色の使い方で、心が反応するようにデザインすることができます。目に見える「視覚」「質感」で心が反応し、感情が動きます。

そのことを私たちが意識していても、していなくても、建物のデザインは必ず人の無意識に影響を与え、それによって私たちの現実に影響するのです。
例えば、都会と田舎では気の種類が違いますよね。理由はここにあります。

建物はどのように気をつくり、その気はどうやって人の心に影響するのか。

建物と人がお互いに作用しあって「気」が生まれます。たくさんの人が訪れる場所の気はレベルが高まるので、陽の気がたくさん生まれます。
では、どうすれば建物に多くの人が訪れるでしょうか。視覚的に目立つデザインというのも、理由の一つとして考えられます。デザインが人の無意識を刺激し、行きたいという感情を生み出すのです。
その感情は「好奇心」や「驚き」かもしれませんし、「喜び」や「強さ」、「嫌悪」や「拒絶」かもしれません。いずれにしても人の意識が建物に向かうことは間違いありません。

直感性や視覚的な魅力が欠けたデザインでは、人の意識を引き付けることはできません。人の意識が向かない建物は、気が不足するので「陰」の状態になります。活動的な気が不足する環境となってしまうのです。陰より陽の方がはるかに良いです。では、陽の気をつくるデザインの重要な要素とは何でしょう?ここにいくつか例を示します。
どれも私たちの感情の深い部分に訴えるものばかりです。この極端な例を見ることによって、私たちは建築家の考えを感じ、読み取ることができます。

象徴的な建築

バレンシアの有名な建築
この奇抜な建物は、スペインのバレンシア、芸術科学都市にある「レミスフェリック」というIMAXシアターです。建築家が完全に一からデザインし、「目」を象徴的に表現しました。
卵型の屋根は片側だけ地面に着いていて、正面玄関の側は宙に浮いています。重力の法則に逆らう屋根が、玄関に向かって進む人に「無重力感」を与えます。建物の形とシャッターが一体となり、建物に命が宿り、文字通り「目」となります。

この非常に創造的なデザインによって、見る人と建物の間に関係が一瞬で生まれます。建物が見る人全員に共通する何かを連想させます。そうです、「目」です。
建物の形が人の感情を刺激し、創造力が開花します。この建物の持つ素晴らしい大胆なデザインに圧倒され、好奇心がそそられます。
それだけでなく、これを見た人は皆、この建築の常識を無視した建物がどうやってまっすぐ立っていられるのだろうか、と心配に思うのです。

驚きは好奇心に変り、私たちの意識が建物に向き、もっと知りたくなります。この例から、建物が人の感情に影響することを確認できました。デザインが磁石のように建物内に陽の気を引き付けます。
この奇抜な「目」は、風水的にどうなのか、考えてみるのも面白いでしょう。

陰と陽の融合

ルーブルのピラミッド
これはパリの都心、ルーヴル美術館にあるイオ・ミン・ペイ作の有名なガラス・ピラミッドです。私たちは調和を生み出す2つの相反するものを融合させた、「陰と陽」の建物だと見ています。
ルーヴル宮殿の中央に鎮座するピラミッドは、ガラスと金属が見事に組み合わさっています。伝統と刷新、新旧の融合、すべてがひとつになり、繊細なバランスを生み出し、そのバランスが引力と反発力を同時に生み出しています。

この2つの異なる様式により、人がつながりあい、新しい建築の言葉をつくり、それが非常に強力に人の意識をひきつけます。
この感情は好奇心ではなく、古いものと、新しいものという異質なもの同士が実際に助け合い、強力な引力をつくるという不思議な感覚を見る人の心に抱かせます。
この新旧の共存が、宇宙の目に見えないエネルギーをつくり、言葉ではあらわせない影響を、建物が私たちに与えます。
風水の観点では、「天・地・人」の融合と言われるエネルギーの性質、「天・地・人」の気が自由に流れ、天のエネルギーはガラスのパネルをスムーズに流れ、新鮮な気が、ルーヴルの古い気を補うように流れる。イオ・ミン・ペイの最高傑作です。

神聖な建物

インドの礼拝堂
バハイ礼拝堂はインドのデリーにあり、別名「ロータス寺院」と呼ばれます。多くのアジアの文化と宗教で用いられる象徴的アイコン「蓮の花」をデザインしています。
デザインの鍵となるのはこの建物の「用途」である礼拝です。27枚の大理石でできた花びらのデザイン、建物そのものが3×9個の花びらに組み込まれています。礼拝堂にとって重要なデザインです。
私たちはこのデザインがもたらす神聖な気によって、建物内に入る時、謙虚な気持ちになります。建物がつくり出す気は純粋で、魅力的なものです。
そして、見る人と建物が心で会話を始めます。これが礼拝堂が持つ独特の重要な側面の1つです。礼拝堂はどの宗教にも解放されていて、どんな宗教の人でも使うことができます。このデザインによって、建物と利用者の関係が結ばれます。

衝撃的な建物

プラハのダンシングビル
では、文字通り「衝撃」を与える建物はどうでしょうか?
プラハにあるナショナーレ・ネーデルランデン・ビルは通称「ダンシング・ハウス」と呼ばれ、ガラスと金属とコンクリートがねじれた形で踊り揺れているような形をしています。
自然に溶け込まない建物に、ほとんどの人は違和感を覚えます。しかし見る人の感情を強烈に刺激します。
だから建物の風水が本当にひどかったとしても、その建物が私たちの反応を引き出し、建物には気のレベルがあり、それが人の無意識と、感情、そして行動に影響することも事実です。

次にあなたが魅力的な建物に出会った時は、建物を見つめ、自分の心を、感情を観察してみてください。建物があなたに話しかけてくることに、驚くかもしれません。

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